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「きぼう」運用管制官インタビュー 野川主任技師フライトコントローラー

24 時間「きぼう」の内部環境を見張っています。

─まず現在担当されているお仕事について、教えていただけますか?

「きぼう」の運用管制室「きぼう」の運用管制室

─まず現在担当されているお仕事について、教えていただけますか?

「きぼう」の運用管制業務を担当しているのですが、運用管制といっても担当システムによってチームが別れていまして、私は熱環境を制御するチームに所属しています。具体的には、熱制御という観点では「きぼう」のシステム機器排熱のための循環冷却水やヒーターの監視制御、そして環境制御という観点では例えば「きぼう」内にある空気の圧力・温度・空調・火災検知器などが正常な状態か監視制御している部門です。

システム機器の監視・制御ということで即座に対応が必要なため、24 時間3 交代で勤務に入っております。通常の運用管制業務として地上から宇宙ステーションに対して定期的なメンテナンス作業などのためにコマンドを送信して機器を制御しテレメトリで状態を監視するのはもちろんのこと、その際に使用する運用手順作成や修正さらには所掌システム運用計画作成なども併せて行っています。

─熱環境の制御を担当との事ですが、他にどんなチームがありますか?

他には、通信・電力系担当、宇宙飛行士と直接会話をする交信担当、船内活動担当、ロボットアーム担当、運用計画調整担当、
地上設備担当、ペイロード運用担当、そしてそれらをまとめるフライトディレクターという責任者がいます。

─宇宙飛行士の生命を守る立場という事になりますね。

そうですね、他のシステム担当に比べて例えば火災・急減圧などの緊急時に対応するチームということで宇宙飛行士の生命にダイレクトに関わるところなので、すごい責任を感じていますね。

─当然問題の発生に備えて準備をされているのですね?

そうですね、あらゆることを想定して、膨大な数の手順を使いながらシミュレーションで訓練しています。
そもそも、フライトコントローラーに認定される前に何十回と運用シュミレーションを行っていまして、特に不具合処置に対しては繰り返し訓練をし、何か問題点があればそれを手順にフィードバックするなど常に向上させるよう努力しています。

─管制官に必要なものってなんでしょうか?

「きぼう」の船内実験室の内部「きぼう」の船内実験室の内部

─管制官に必要なものってなんでしょうか?

全体の状況を瞬時に把握する能力ですかね。というのも国際宇宙ステーション(ISS)は日本以外の諸外国(アメリカ、ロシア、ヨーロッパ)も参加している、つまり同時に世界中の運用管制官が参加しているわけです。
その中で少なくとも自分の担当しているシステム機器は、「きぼう」はもちろん他のISS モジュールについても常に把握し状況を見ていかなければいけません。そういう意味では当然英語の理解が必要になります。
各担当別にボイスループという専用の音声回線があって、全部で数だけでいうと100 近い回線になるんですけども、その中でも常時8-10 の音声回線をモニタしています。当然同時に会話されることもあり、その中で自分に必要な情報だけを取捨選択し、また逆に情報を流します。

─今後野川主任のような管制官を目指す人にメッセージを。

この仕事をやれることは極めて貴重なことです。先ず日本で有人宇宙の技術を使って運用しているのはここだけですし、とてもやりがいがあります。
それから、自分が宇宙開発を進めて行こうという意気込みが大事です。情熱を大事にして欲しいですね。

─最後に夢をお聞かせください。

現在の「きぼう」フライトコントローラーとして培った技術や経験を基盤に、月や火星の有人探査にも参加できればと、しかも国レベルからさらにすそ野を広げて民間レベルのプロジェクトに関われるといいですね。