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東大と宇宙でセルラーゼの結晶化に挑戦します
JAMSSは、東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻の山口空氏、砂川直輝特任助教、五十嵐圭日子准教授の研究チームと、2020年12月打ち上げ予定の高品質タンパク質結晶生成サービス「Kirara」の2回目ミッションにて、同研究チームのセルラーゼ試料を搭載することで合意しました。
今回のセルラーゼ試料は宇宙で結晶化を行った後、直接中性子回折実験が実施できるよう、中性子結晶構造解析用 に開発された石英キャピラリも使用するとともに、重水素化された化合物を用いています。 この実験が成功することで、Kirara は、X 線結晶構造解析に続き、中性子結晶構造解析に向けに高品質な結晶を提供 できるようになります。 五十嵐准教授らの研究チームには、2019 年 12 月打上の 1 回目 Kirara 実証ミッションにも参加頂き、セルラーゼの結 晶化を行いました。その際、X 線回折実験で 1.08Åという高い解像度の結晶を得ることに成功しました。今回のミッショ ンではさらに中性子回折実験のデータを加える事により、酵素内の水分子の動態や水素結合ネットワークの可視化を 目指します。今回のミッションから得られる知見を用いることによりセルラーゼに限らず様々なタンパク質に対する中性 子結晶構造解析実験の可能性が高まり、タンパク質科学の更なる進展が期待されます。
▼セルラーゼとは
植物体の主成分であるセルロースは、地球上で最も豊富に存在するバイオマスです。自然界においてセルロースは様々な微生物が出す「セルラーゼ」という酵素によって常温・常圧で分解され、多様な生物種の栄養源として利用されています。そのためセルラーゼを使いこなすことができれば、木や草などのセルロース系バイオマスを原料とした液体燃料やプラスチックの生産の実現につながる事が期待されます。
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